あいだのこだわり
あいだ農縁では、「おいしい野菜は土づくりから」の信念のもと、科学的かつ論理的に分析しながら有機農業を実践しています。ここでは、そのこだわりについて、少しご紹介させてください。 ちょっと専門的な話にはなってしまうのですが、とても大事なことですので、ぜひ読んでもらえるとうれしいです。
月1回の土壌分析
土づくりをするうえで最も重要なことは、土の状態を把握することです。専門用語にはなりますが、EC、PH、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、塩分を測定します。
要するに、自分の畑の土にはどんな養分で含まれていて、何が不足しているのかを、数値で見ていくわけです。そうした土壌分析をもとに、どんな肥料をどのくらい与えるかを決める施肥(しひ)設計を行います。
土づくりとは、植物にとって育ちやすい環境づくりだと思っています。土壌分析をして適度に肥料を与えていくことは、おいしい野菜をつくるうえで欠かせないことなのです。
ちなみに私の畑では、月に1回は必ず土壌分析を行い、計画的に肥料を与えています!
機械を使わず、手で丁寧に
おいしい野菜を育てるには、土づくりが絶対です。そして、土づくりに欠かせない物の一つに、堆肥(たいひ)があります。
堆肥とは、稲わらや落ち葉、家畜ふん尿などの有機物を微生物によって分解・発酵させたもの。土壌の団粒化を促すとともに、植物にとって有益な微生物のエサとなり、さらには植物に水溶性の炭水化物を供給する…という大切な役割があります。
これを機械を使わず手で均一に散布することが、ムラの少ないおいしい野菜をつくるこだわりの一つなのです。
科学的根拠を大切に
土壌分析をして、施肥(しひ)設計を行い、堆肥・ミネラル・アミノ酸肥料を与え、土壌水分を60%以上にしたら、土の上に透明なマルチビニールを張ります。これは「太陽熱養生処理」という技術で、太陽熱によって堆肥から発生した二酸化炭素が土の粒子を細かく均一に粉砕し、栄養成分を吸収しやすくしているのです。
植物が根っこを張りやすい土壌になるまでには、約20日間。本来、数年はかかる土づくりが、この技術によって大幅に短縮することができます。地温が上がるので、有機栽培の悩みの種である雑草と虫の発生が抑えられるのも利点ですね。
※「太陽熱養生処理」については、新聞に取り上げていただきました!
植物のニーズに向き合う
一般的にトマトやミニトマトは、「水を切ったほうが、味が濃くなっておいしくなる」と言われていますが、うちは真逆で水を山ほどあげています。間口6.3mのビニールハウスに、潅水(かんすい)チューブを13本。ハウス全体を森のように、常に湿らせるイメージです。
というのも、ミニトマト自体が光合成をするために大量の水を必要とするから。そのうえ、微生物が繁殖しやすい環境をつくるためにも、やはり水は欠かせません。
農業を始めたばかりのころは、慣行栽培で水を切って育てていましたが、そのときに比べて味も収穫量も断然良くなりました。植物が必要としていることに向き合い、植物にとって育ちやすい環境をつくること、それこそがおいしい野菜をつくるために大切なことだと強く実感しています。
追肥も時間をかけて
慣行農業では液肥での追肥が当たり前ですが、有機農業では使用できる肥料が限られます。うちでは固形の有機肥料を使っているため、土の上に張ったマルチビニールをまくって追肥しています。すべてのビニールをまくって肥料をまいていかなければならないので、ものすごく大変な作業です。それでも続けていきたいと思えるのは、おいしい野菜をつくりたいからです。
ちなみに、うちのミニトマトは定植時や定植後も添え木は使わず、誘引するまで2週間以上自立状態です。細胞壁のセルロースが分厚く丈夫なので、ミニトマト自体がものすごく硬く、ちょっとやそっとのことで折れたり倒れたりはしません。
着果や果実の肥大、熟期を促進する植物ホルモン剤なども一切使用せず、植物そのものの成長力に任せて育てています。